コンボイ88の充電方法+おまけ

 

先日、ミツオカさんにTELして、コンボイ88の充電方式を教えていただきました。

コンボイ88はMC−1EVより更に進んで充電方式を工夫していて、バッテリー温度により充電電圧が変化します。

バッテリー温度に対するバッテリー容量の変化を先に説明しますと、
バッテリーの設計温度は20℃=100%が基本で、温度が上がるほど容量が増えます。
35℃程度では120〜130%になります。ただし、40℃を超えると容量ダウンとともに電極が壊れ出します。
これは、バッテリー内の希硫酸の比重に関係します。
希硫酸は温度が上がると比重が上がり、逆に温度が下がると比重も低下します。
これにより比重が高いほど化学変化も大きくなり、バッテリー全体の容量が増すわけです。

しかし、温度が上がりすぎると比重も上がりすぎ(希硫酸が濃くなる)、バッテリー本体の鉛極板を溶かし始めます。
実際には極板は飴のように溶けるのではなく、電極を拡大すると無数の穴が空いており、丁度スポンジの様な状態なので、
一部が溶け出すとスポンジを千切るように砕けていきます。

話を戻して、バッテリー温度が下がると、今度は容量は低下していきますが、
冬のように10℃を下回ると化学変化が出来なくなり急激に容量が低下し、0℃以下だとほとんど眠った状態になります。

実際は気温が0℃以下でもバッテリーはそこまで低下していませんが、長期間使わないで置くと冷え切ってしまいます。

そこで、コンボイ88はバッテリー温度を監視して、充電電圧を変化させて出来るだけ多くの容量を
充電できるように工夫しています。

充電電圧の基本は25℃の時に93V
温度差が1℃ごとに0.19V電圧を増減させています。

例 バッテリー温度30℃ 5℃の温度差があるので93V−(0.19V*5)=92.05V
   バッテリー温度10℃ 15℃の温度差があるので93V+(0.19V*15)=95.85V

上のようにバッテリー温度により充電電圧を増減させていますので、充電電圧の良否は
バッテリー温度と対比させる必要があります。

 

ここで基本に立ち返り鉛バッテリーの使い方(メンテ)について書きます。

バッテリーにはいくつか種類があり、使われている材料により違いがあります。
例として 鉛、ニッケル水素、リチウムイオン等です。

鉛バッテリーは鉛で出来た電極とガラス繊維などのセパレーター、希硫酸により構成されています。
1つの部屋(電極の組み合わせ)で約2V強の電圧を発生しますので、12Vならば6つの部屋(セル)があります。

鉛バッテリーは、鉛と希硫酸の化学変化で充電と放電を行っていますので、
電極の形や材質(鉛極板の添加物)と希硫酸の濃度が大きく性能に影響します。

通常は満充電時を基本に設計・製造されていますので、電気を使ってゆき、容量が減るほど傷みが大きくなります。
電気自動車に使われるディープサイクルバッテリーは、設計では500回程度の充放電が出来るのですが、
これは50%放電時の場合です。
これを放電の深度といいますが、鉛バッテリーは放電深度が小さいほど寿命も増します。

例 大まかですが、EVが満充電で50`走れる場合25`時点で50%の放電になります。

この時点で充電を行えば500回充電ができるわけで、最後まで電気を使い切ると
上で説明したように容量が減るほど(放電の深度が大きいほど)傷みが激しくなるので、
200回も充放電出来ないぐらいに性能ダウンします。 

では、どうしたら良いのか? 答えは簡単です。

出来るだけ電気を使い切らない。
使ったら出来るだけ早く充電する。
長い間放置する場合は定期的に補充電する。

要するに満充電の時間を増やすことです。

また、バッテリーは放電してしばらくするとサルフェーション(硫酸鉛の結晶の付着)が起こります。
これを防止することで、500回の充放電をうたっているバッテリーが1000〜2000回以上使用出来るようになります。

サルフェーション防止の方法は

@放電状態でバッテリーを放置しない。
(サルフェーションが起きにくくなるだけだが、充放電回数の減少は防止出来る)

Aサルフェーション防止装置を取り付ける。
(通常のバッテリーではどんなにメンテしていてもサルフェーションが必ず起こるが、
装置を取り付けることで、積極的に防止・除去出来るためにバッテリーの機械的寿命まで使用出来る)

バッテリーの寿命を延ばすのは上記に加え、定期的な点検が必要になります。
特にバッテリー液の減少には注意が必要です。
セルの中を覗いて、電極が露出するほどに液が減っている場合は、
極端に希硫酸の比重(濃度)が上がっているので、上で書いたとおり電極板が溶けて壊れて行きますので、
比重を元に戻すために、液(蒸留水)補充が必要です。
ディーフサイクルバッテリーの比重は満充電時で1.28〜1.30です。

使用状況にもよりますが、2〜3ヶ月に1度はバッテリーの液面の点検を行うように心掛けてください。

いろいろ書きましたが、高価なバッテリーを出来るだけ長く、
また快適に使用できるように日頃のメンテナンスを忘れないようにしてください。

 

 

 

 

 

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